10代の薬物乱用者の増加

 国立精神・神経医療研究センターの調査によれば、10歳代の青少年の薬物乱用・依存患者が最近2年間で3倍近くに急増しています。約7割がドラッグストアなどで買えるせき止めや風邪薬などの市販薬を使用しています。

 使用薬物は、2014年には脱法ハーブのような危険ドラッグが約半数を占めていましたが、規制が強化されて以降、せき止めや風邪薬などの市販薬が年々増え、2024年では72%を占めています。市販薬使用者の93例のうち、女性が89%と大半を占めたほか、最近1年以内に自殺・自傷を試みた人は83%、学校に在籍している人が74%でした。

 家庭や学校の悩みから、自殺を考えているような子たちが、しんどい日常生活を何とか過ごすために薬に頼って生きています。非行歴がなく、いわゆる普通の女子に薬物が広がっています。ドラッグストアは数多く、個数制限の意味はほとんどありません。対策の重点を女性に置き、カウンセリングや自殺防止に力を入れる必要があります。医薬品医療機器法の改正で来年春までに、若年者への大容量商品の販売が禁止されます。

(2025年9月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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