民放各社は4KについてBS放送からネット配信にシフトすることを想定しており、新たな収益モデルを模索しています。BS4Kは、民放ではキー局の系列となるBS日本、BS朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、ビーエスフジの5社が手掛けています。4K放送は、フルハイビジョンの4倍の解像度を持ち、高精細な映像の需要があるスポーツ中継や音楽ライブ、映画といった場面で使われてきました。
5局が撤退すれば、BSの4K放送は、NHKと通販専門局の計3チャンネルだけになります。次世代のテレビと鳴り物入りで始まった4K放送ですが、画質などの違いが視聴者に伝わりづらく、普及しませんでした。衛星使用料など4K放送による累積赤字が5局合わせて300億円程度に膨らんでいます。
4K放送は、BS、CS計16チャンネルでスタートしましたが、撤退が続き、CSは全て閉局しました。4K対応テレビの国内出荷台数は前年割れが続いています。民放各社の放送収入も長期では減少基調にあります。
(2025年9月9日 東京新聞 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)