OECDの発表によれば、大学など高等教育への在学者1人あたり公財政支出額が、日本はOECD加盟国の平均の54%にとどまっています。小学校~高校は平均より多く、大学に対する、国などの公的支出の少なさが目立っています。また、高等教育の女性教員の割合は31%にとどまり、比べられる国の中で最低でした。
在学者1人あたりの公財政支出は、日本は8,184ドル、OECD平均は1万5,102ドルでした。最高はルクセンブルクの5万4,384ドル、最低はメキシコの4,430ドルです。37カ国の中で、日本は10番目に低率です。高等教育を卒業した人の割合(25~34歳)は66%で、OECD平均の48%より多くなっています。少ない公的支出にもかかわらず、大学などを卒業する人が多くなっています。
日本は、幼稚園など就学前教育の公的財源の割合も低く、OECD平均の85.6%を下回る78.2%でした。教育への投資額全体をGDP比でみても、日本は3.9%で、OECD平均の4.7%より低率です。しかし、小学校~高校段階は92.7%で、OECD平均の90.4%を上回っています。
日本は、公的な援助が限定的で社会格差を生んでいると指摘されています。英国は学費が高いのですが、就職後の給与水準によって返済不要にもなる学生ローンがあるそうです。補助金などと組み合わせながら、最も優秀な人たちが教育を受けられるようにすることが必要です。

(2025年9月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)