AI開発や活用の遅れ

 GDP世界4位の日本は、AI開発や活用で世界に遅れを取っています。AIは、医療や金融、素材開発などの産業の高度化を加速させ、労働力不足などの解決につながると期待されています。総務省の調査によれば、生成AIを使ったことがある個人は日本が27%、中国が81%、米国が69%、ドイツが59%と大差がみられます。企業でも日本の55%に対し、他の3カ国は90%を超えています。

 投資額にも差がみられます。米スタンフォード大学の調査によれば、2024年のAI分野への民間投資額は、米国が1,091億ドル(16兆円)でトップです。2位の中国は米国の12分の1、日本は14位で100分の1以下でした。既にAI向け先端半導体の分野では、他国に頼らざるを得なくなってきています。

 AIが産業競争力や安全保障に欠かせない技術であるとして、近年各国が開発支援に力を入れています。わが国も国家主権と安全保障の観点から、日本の文化・習慣なども踏まえた信頼できる基盤モデルを開発するとしています。政府は、対話型AIを動かす大規模言語モデルの国内開発や利活用を広げる狙いです。国内外からの人材確保や、データセンターの整備などで後押しします。

(2025年9月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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