ふるさと納税による地方私大支援

 地方を中心に入学者が定員を満たせない私立大が増え、全国で53%に達しています。定員割れは経営悪化に直結します。全国の私大の収入は、授業料などの学生納付金が77%を占めています。国の私学助成は11%、寄付金は2%です。

 収入増を目指し、ふるさと納税が注目されています。大学などを運営する法人を対象とした文部科学省の調査によれば、22%がふるさと納税を活用と答えています。返礼品はあるが38%、ないが53%です。新潟県南魚沼市は、市内にある国際大を支援する枠をふるさと納税に設けています。岐阜県飛騨市は市内に来春できるコー・イノベーション大への支援に、寄付企業に税制上の優遇措置がある企業版ふるさと納税を用います。

 文部科学省は、私大が資金調達の方法を増やす一環として、地元自治体と連携したふるさと納税の活用を推奨しています。利用者が多いので、大学への寄付者を新たに開拓できる可能性があります。増収以上に、地元との連携強化を主目的と考える必要があります。少子化で学生納付金が減り、寄付の獲得に力を入れる大学が増えています。ふるさと納税は仲介サイトが充実し、寄付者にお得感があり、活用することは理解できます。

(2025年9月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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