総務省消防庁によれば、全国の救急出動件数はコロナ下で一時減少しましたが、2022年は723万件、2023年は764万件と急増しています。そのため、119番通報から現場に到着するまでの時間も延び、全国平均で2018年は8.7分でしたが、2023年には10.0分と1.3分長くなっています。救急の需要は日中が多く、2023年の全国で救急要請のあった時間帯は、午前10時~正午、午前8~10時、正午~午後2時の順に多くなっています。
こうした状況を見据え、消防庁は、今年6月に全国の都道府県宛に日勤救急隊の導入検討を呼びかける通知を出しています。日中だけ稼働する日勤救急隊をつくる動きが全国で広がっています。高齢化を背景に119番通報が増加するなか、救急要請が特に多い日中をカバーする狙いです。担い手である救急隊員にとってもメリットがあります。働く選択肢が増え、女性職員も他の男性職員と同じキャリアを積める道ができます。

(2025年10月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)