日本GDPの転落

 国際通貨基金の発表した最新の世界経済見通しによれば、2030年の日本の名目GDPは推計5兆1,198億ドル(約775兆円)でした。2025年の世界順位は米国、中国、ドイツに次ぐ4位でしたが、5年後にはインド、英国に抜かれて6位に転落することになります。日本の名目GDPの世界順位は、2022年までは首位の米国、2位の中国に次ぐ3位でしたが、2023年にドイツに抜かれて4位となっています。

 インドは、世界最多となる14億人超の人口を抱え、旺盛な個人消費と内需を取り込もうとする企業の設備投資に支えられ、高成長が続いています。2029年にはドイツのGDPも抜いて世界3位に浮上するとされています。英国は人口が約6,900万人と日本の半分程度ですが、移民によって今後も人口の増加が続く見通しです。

 名目GDPは物価上昇率に左右されるほか、ドルに換算して国際比較を行う場合は外国為替相場の水準も影響します。日本は新型コロナ禍以降に円安が大きく進み、GDPをドル換算すると3割ほど目減りしています。貿易赤字も続いており、実体経済も他国に比べて弱まっています。

(2025年10月18日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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