小中高生の自殺の増加

 厚生労働省などのまとめによれば、小中高生の自殺は2017年から増え始め、コロナ禍の2020年には前年比100人増と急増しています。以来、高止まりが続いています。原因・動機は、2024年は学校問題が272件、健康問題が164件、家庭問題が108件でした。増加は中高生の女子で顕著で、思春期の女子のメンタルヘルスが悪化していることは様々な研究でも指摘されています。

 特に中高生の女子が生きづらさを抱えている印象があります。彼女たちは、SNSの普及などによって緊張した対人関係の中で思春期を過ごしています。日本の子どもは国際的に見て自尊感情が低い傾向にあり、そうした子は危機的状況に陥ると精神的に破綻しやすいとされています。

 政府は9月に具体策をまとめた政策パッケージを公表しています。子どもの危機を身近な大人が察知した際に、精神科医や法律家、心理士、精神保健福祉士など多職種の専門家がチームを作り、学校の先生などに助言したり、地域の関係機関を紹介したりする仕組みです。

(2025年10月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です