市販薬のオーバードーズ

 市販薬の乱用は、孤立やストレスから逃れる手段として若者を中心に広がっています。身体への深刻な影響が懸念されています。厚生労働省の研究班の2024年度の調査によれば、過去1年間に市販薬を乱用した経験がある高校生は1.4%、中学生は1.8%と推計されています。

 市販薬は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品よりも手に入れやすいことから、厚生労働省は、2014年に依存性のある成分を含むジヒドロコデインなど6成分を乱用の恐れのある医薬品に指定しました。販売には原則1人1箱といった特別なルールを設けています。

 しかし、近年は規制対象以外の成分の乱用が目立つようになっています。咳止め成分のデキストロメトルファンと、アレルギー薬成分のジフェンヒドラミンです。2つの成分は直ちに乱用の恐れのある医薬品に指定するべきだとする見解をまとめています。乱用の恐れのある医薬品は、来年5月に施行される改正医薬品医療機器法で、名称が指定乱用防止医薬品に変わり、販売規制も強化されます。

(2025年10月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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