正しいがん検診を知るために―Ⅳ

がんの早期発見

 がんが発見可能な大きさになってから症状が出るまでの期間の長さは、がんの種類によって様々です。例えば胃や大腸、乳房や子宮頸部の場合、前臨床期は数年~10年程度であり、この期間に検診を受けることは物理的に可能です。

 血液のがんやタバコをたくさん吸う人にできる肺がんのように進行速度が速い場合は、前臨床期は数日から数週間に過ぎず、この期間に検診を受けることは物理的に不可能です。このように進行速度の遅いがんほど定期的な検査で早期発見はしやすく、速いがんほど早期発見が難しくなります。死に直結しやすい速いがんは検診は不向きで、死に直結しにくい遅いがんは検診に向ています。

(よぼう医学 2025 秋号 №30)
(吉村 やすのり)

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