大学生の自殺増

 厚生労働省の2025年版自殺対策白書によれば、自殺者全体は減少する中、20歳代までの若年層の自殺が増加しています。就職などを控える大学生の自殺者が400人を超える深刻な状況となっています。大人として扱われることも多い大学生については、周囲が異変に気付きにくい面もあり、大学による対策や支援が必要となっています。

 全体数が減る中でも若者は増えており、2024年の小中高生の自殺者数は過去最多の529人で、内訳は高校生351人、中学生163人、小学生15人でした。大学生は前年比24人増の434人となり、年齢別では3、4年生に相当する21歳が最も多くなっています。自殺者の原因・動機としては、就職などの進路に関する悩みが最も高く、男性は24.2%、女性は19.5%です。

 学校や家庭についての悩みが原因となるケースが多い中高生に比べ、大学生は進路や学業、アルコールなど問題が多様化しています。大学生の多くが親元を離れ、社会との関わりも増えるため背景や要因も複雑になり、周囲が異変に気づきにくい面があります。

(2025年10月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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