子育て支援金の来年度スタート

 少子化が進むなか、政府は異次元の少子化対策として、様々な子ども・子育て支援策を打ち出してきました。若年人口が急減する2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるラストチャンスとし、こども未来戦略を2023年末に決定し、給付を始めています。2024年10月から児童手当の支給を大幅に拡充し、所得制限を無くし、支給期間も中学生年代から高校生年代まで延長し、第3子以降は月額3万円に増額しました。

 こども未来戦略の予算規模は年3.6兆円です。財源は大きく三つで、一つは医療や介護にかかる社会保障の歳出改革で1.1兆円程度、既定予算の活用で1.5兆円、1兆円程度を医療保険料とあわせて集める支援金でまかないます。

 支援金の使い道は、児童手当の拡充のほか、妊産婦への10万円相当支給、夫婦で育休取得時に手取り10割相当に引き上げる給付、保護者が働いていなくても一定時間保育所を利用できるこども誰でも通園制度の導入などです。支援金の総額は2026年度に6千億円、2027年度に8千億円、2028年度に1兆円と段階的に引き上げます。

 負担するのは独身の人に限らず、子育てを終えた高齢者らを含めた全世代です。政府は、少子化や人口減少は日本の社会経済全体の重要な課題だとし、支援金をあてる事業で直接受益しない国民にとっても意義があるとしています。介護や医療の窓口負担など社会保障の歳出改革と賃上げによって社会保険料の負担を抑えることで、その範囲内で支援金を集めるとしています。

(2025年11月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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