スタートアップの企業価値

 上場企業の評価額は、直近の1株当たりの価格と発行済み株式数を掛け合わせて算出します。スタートアップなど未上場企業の場合、市場で日々株価が変動する上場企業と異なり、価格が決まるのは新株を発行して資金調達をする際などに限られています。スタートアップは、1回の資金調達で株式数の1~2割程度の新株を発行するのが一般的です。

 スタートアップの企業価値は、成長力や規模を示す指標の一つとされ、上場企業の株式時価総額に相当します。企業価値が10億ドル(約1,550億円)以上で、未上場の新興企業はユニコーンと呼ばれます。日本ではSakana AI、人事労務管理ソフトのSmartHRなどが該当します。

 未上場時にベンチャーキャピタルなどから投資を受けた企業は、一定期間後に新規株式公開などで投資資金を回収する出口(エグジット)の機会を求められます。企業価値は景気や金利水準にも左右され、下がることもあります。過度に企業価値を膨らませると出口戦略を狭めるリスクもあります。

(2025年11月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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