国立大学の授業料値上げ

 国立大学の授業料は、文部科学省令で定められた標準額から20%を上限に各大学が定めることができます。標準額は年53万5,800円となった2005年度以降、据え置かれてきました。授業料の値上げに踏み切る国立大学が相次いでいます。今年夏以降だけで4校が新年度学部入学生からの値上げを表明しています。国からの運営費交付金の減少や物価高騰などが、大学経営を圧迫しています。

 文部科学省によれば、今年度までに東京科学大学や東京大学など6校が、標準額を超える学部授業料を設定しています。来年度からは電気通信大学のほか名古屋工業大学や埼玉大学、山口大学が加わる予定で、値上げの動きは地方にも波及し始めています。地域の教育機会均等のために、やせ我慢をしてきた地方の国立大学も耐えきれなくなってきています。

 今年度の国立大学運営費交付金は1兆784億円で、法人化した2004年度から13%減少しました。文部科学省は運営費交付金について、来年度予算の概算要求に前年度予算比632億円を計上しています。大学の困窮は運営費交付金でカバーされるべきです。

(2025年11月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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