温暖化による気候災害が各地で相次いでいます。2025年は欧州で6~7月に一部地域40度を超えるような猛暑となりタイやパキスタンでは豪雨による洪水被害が頻発しています。気候災害による影響は社会インフラの整っていない途上国の方が深刻です。温暖化ガスの排出量は少ないのに、影響は大きく受ける構図があります。気候変動による影響が最も大きい国はドミニカで、ミャンマー、ホンジュラス、リビアが続いています。
先進国と途上国との間で、気候災害への対策資金を巡り対立が続いています。途上国が2030年までの資金目標を現行の3倍にするよう要求し、先進国は難色を示しています。途上国側はインフラ整備など災害対策に充てる資金を2025年までに年400億ドル確保する目標を改め、2030年までに3倍の1,200億ドルにするよう求めています。途上国は、自国だけで災害対応は続けられず、温暖化を引き起こした先進国が資金を提供する必要があるとしています。

(2025年11月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





