消費税再増税の延期

 社会保障の出費は、2000年度の約78兆円から2014年度は約115兆円へと膨らんでいます。税金と保険料で賄うため、国の社会保障予算も1997年度の14兆円から30兆円超と倍増しています。その間、国の税収は54兆円から50兆円にむしろ減ってきています。次世代への負担である借金への依存度は高まるばかりです。

 2年半前に社会保障と税の一体改革で3党合意し、消費税率を段階的に10%に引き上げ、増税による税収である、5%で約14兆円をすべて社会保障に充てることにしていました。しかし、今回の再増税延期により社会保障費のサービス拡充に関して、見直しが避けられなくなっています。政府としては、子ども・子育て支援新制度だけを実施することとしていますが、それ以外は見送られても止むを得ないと思われます。わが国の深刻な少子化状態を考慮すると、最優先課題は何であるか、皆で身を切る想いが必要です。

(2014年11月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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