新築マンションの年収倍率

 不動産調査会社の東京カンテイの調査によれば、2024年に新規分譲された新築マンションの都道府県ごとの平均価格(70平方メートル換算)によれば、年収倍率の全国平均は10.38倍で、2023年の10.09倍から上昇しています。10倍を上回るのは2年連続です。年収倍率の10倍超えは、新築マンションが働き手が1人の片働き家庭では買いづらくなっていることを示しています。

 35年ローンを前提とすると、物件価格は年収の5~7倍が現実的で、8倍を超えると生活が苦しくなります。2024年は福島県や岡山県、熊本県などで新たに10倍を上回り、10倍超えは24都道府県と前年の18都道府県から3割増えています。

 新築価格が上昇する背景には、建築コストの高騰があります。マンションにかかる建築コストは過去1年で4~6%上がっています。資材高止まりや人件費の上昇が響いています。大衆層向けでは利益が出ないため、不動産会社は共働き世帯や富裕層、シニアの住み替え需要に向けた高額物件を手掛けるようになっています。

(2025年12月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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