日本は、人口減少で2040年に1100万人の働き手不足が生じるとの民間試算があります。女性や高齢者のさらなる就業拡大やAIを活用した生産性向上が欠かせませんが、改善には限りがあります。しかし、人口そのもののパイが減る中で、日本人だけでなんとかするのは難しくなります。経済活動の維持へ外国人材に頼らざるを得ない実態が強まってきます。
日本で暮らす外国人は増えています。国立社会保障・人口問題研究所は、2013年公表の将来推計人口で外国人が、2040年頃まで毎年16万人ほど増えていくと予測しています。実際にはその2倍を上回るペースで増えています。在留外国人の数は、2025年6月末時点で395万人と、前年と比べ36万人ほど増えています。問題は増加する外国人受け入れへの備えができているかです。総人口に占める外国人比率は現状3%程度です。既に10%を超す欧州諸国は、移民・難民問題が社会の分断や政治の混迷を生んでいます。
人手不足を理由になし崩し的に外国人労働者を受け入れていけば、将来的に社会の分断を招く懸念があります。受け入れルールを明確にし、国民の不公平感や不信感を払拭することは外国人との共生につながります。規制強化の是非ばかりに議論が傾くと、グローバルな人材獲得競争の中で日本は置き去りにされてしまいます。過剰な規制を競う事態に陥れば、排外主義が高まる危険性もはらんでいます。政治には規制強化ばかりでなく、外国人との秩序ある共生に向けた政策を競う議論が求められています。

(2026年2月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





