EVの普及率の国別格差

 2025年に世界全体で販売されたEVは、過去最多の約1,500万台となりました。新車販売に占める比率は16%です。トヨタ自動車とホンダ、日産自動車の3社が世界で販売したEV以外を含む全車種に近い台数です。世界のEV市場は、一時期より成長は鈍化していますが、拡大が続きEV化は着実に進んでいます。

 地域ごとに格差は広がっています。EVの成長をリードしているのは中国です。2025年のEV販売台数は約970万台で、新車販売に占める割合は28%です。中国製EVを多く輸入しているASEANも普及が進み、2021年にほぼ0%だったEV比率が、2025年は14%に上がっています。欧州では一時販売が停滞しましたが、EVの伸びが再加速し、2025年のEV比率は15%でした。フランスやドイツで伸びており、独フォルクスワーゲンなど欧州メーカーが販売を増やしているのが要因です。一方で、米国は足踏みが続き8%台です。日本は2023年をピークに減っており、わずか1%にとどまっています。

 中国は、自動車の製造・販売会社に、EVを含む新エネルギー車の比率を2027年に58%以上と義務付けています。対照的なのが米国です。2030年に新車販売の50%をEVなどのゼロミッション車にする計画でしたが、トランプ大統領が就任直後に撤回し、化石燃料に力を入れています。EUは、2035年にエンジン車の販売を禁止する方針を撤回しました。欧州メーカーは、EVとエンジン車の両方を製造できるように生産体制の柔軟化を進めています。

 日本メーカーは、EV化が進む中国市場で苦しい状況が続くと思われます。日本の大手メーカーは、かつて販売台数のおよそ3分の1が中国市場でした。しかし中国での販売低迷が続いており、別の市場を強化する必要があります。

(2026年3月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です