男女間の賃金格差

 女性活躍推進法は、企業などに社内の男女間賃金格差を公表するように定めています。法改正で4月から労働者101人以上の企業に義務付けられます。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、一般的なフルタイム勤務者の所定内賃金は、男性が平均月額36.3万円に対して女性は27.5万円です。約8.8万円の開きがあり、女性は男性の75.8%しかもらっていません。20年前は67.6%だったので差は縮小しつつありますが、解消には至っていません。OECDの調査では、G7中日本の賃金格差は最も大きくなっています。

 年齢階級別の平均所定内賃金を基に試算すると、20~60歳に男性は1.7億円稼ぎますが、女性は1.3億円です。生涯賃金はざっと4千万円弱も男性に及びません。働く女性は増え、活躍の場も広がっていますが、いまだに男女間に職域分離があります。職域分離は主に水平分離と垂直分離に分けられます。この職域分離により賃金格差が生じています。

 同じ働くにしても、そもそも雇用形態や職種に偏りがあることを水平分離と言います。正社員は男性が多く、非正社員は女性が多くなっています。待遇は正社員が非正社員よりも恵まれており、賃金格差は開きます。垂直分離は同じ勤務先で同じ正社員として働くにしても、担う役割が男女で異なっていることを言います。好待遇の総合職や賃金水準が高い管理職・役員は、男性が多数を占めます。年齢や社歴が同じでも女性の賃金が低く抑え込まれます。

 女性比率が高い職種はピンクカラージョブと呼ばれます。介護職や保育士、一般事務、受付、販売員、美容師などが代表で、特徴は低評価・低賃金なことです。稼得責任を負う男性が就くホワイトカラーやブルーカラーの仕事と比べて、女性は低賃金でも構わないといった偏見が根底にあります。ピンクカラージョブも専門スキルが求められます。不当な低評価・低賃金を見直すことも賃金格差解消に欠かせません。

(2026年3月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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