公的年金は、若い頃から保険料を納め、老後は終身で受給します。人生に長くかかわり、国民生活への影響が大きく、国は社会や経済の変化を踏まえて制度改正を行ってきました。制度が将来にわたって維持できるかは、国民の信頼を得る上でとても大切です。2024年の財政検証では、新たな取り組みとして、男女別で、20歳、30歳など年齢で分けた将来の受給額を推計しています。ライフスタイルの多様化に応じた将来像を示し、制度がどうなるか実感をもって考えてもらおうという試みです。
厚生労働省は、男女別、世代別で個人が受給する平均月額の将来推計も公表しています。女性は、2024年度に50歳になった人が65歳で受給を始める場合、2024年度に65歳の人と比べて5,000円増えます。20歳の人は2万3,000円増えることになります。若い世代ほど働いて厚生年金に加入する期間が長くなり、保険料を多く納める分、受給額が増えるためです。
若い人が老後に受け取る年金額は、今の高齢者より少なくなると思われがちですが、今回の推計は働き方次第で自分の年金は増やせることを示しています。

(2026年3月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





