私学事業団の調査によれば、私立大学を運営する全国571の学校法人のうち、約3割の163法人が債務超過などにより経営困難な状況にあります。5年前の1.8倍に増えています。少子化に加えて、物価や人件費の上昇による支出増が経営を圧迫しています。
教育に関する収支が2年以上赤字で外部負債が運用資産を超過し、かつ4年以内に資金ショートする恐れなどがあるレッドゾーンに分類されたのは22法人です。外部負債が超過していない場合でも、10年以上先に資金ショートする可能性があるなど経営困難な状況にあるイエローゾーンには141法人(25%)が該当します。経常収支差額が2年以上赤字の場合、経営困難の手前であるイエローゾーン予備的段階は149法人(26%)です。
私大の主な収入は入学金や授業料で、少子化の加速で経営は厳しさを増しています。文部科学省の推計では、大学進学者数は2035年から急減し、2050年には2021年比で3割減の41万人になります。物価や人件費の上昇で支出が増え、入学金や授業料に転嫁しづらく、経営環境は悪化しています。
文部科学省は私大への経営指導を強化します。経営改善に向けて数年かけ指導し、改善しない場合、撤退や規模縮小を促す方針です。大学全体の規模の適正化もはかります。現在は学生数が収容定員の7割以下の学部が1つでもある場合、2029年度以降学部新設を認めない方針とします。

(2026年4月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





