医師の自由開業
卒後2年間の臨床研修を終えた医師は、好きな場所で入院ベッドを持たない診療所を開設することができます。開設後10日以内に都道府県知事に届け出ればよい事になっています。内科、小児科など、掲げる診療科は専門医資格などの有無にかかわらず原則自由に選択できます。無床診療所は、2024年10月時点で9万9,792施設あり増加傾向が続いています。開業は人口が多く患者の受診を見込める都市部が多くなっています。
日本と同様に公的医療保険制度があるドイツは、地域・診療科別の定員を設け、外来医師が多い地域での新規開業を認めていません。日本も自由開業の規制が必要かと問うと、必要が42%で、必要ないの21%の2倍に上っています。年代別に見ると全ての年代で、必要が必要ないより多くなっています。医師不足で負担が増す勤務医の方が規制を求める意見が多く、病院勤務医に絞ると必要が46%に達したのに対し、診療所の開業医は必要が30%と必要ないが29%に拮抗しています。
地域偏在を解消するための規制強化策としては、外来医師が多い地域での開業希望者への制限が3割弱に上っています。診療科間でも医師が偏在しています。政府は、改正医療法に基づき対策を講じます。2026年4月から外来医師が多い地域の新規開業者に対し、都道府県知事が医師不足地域での医療提供などを要請できるように改めました。応じなければ保険医療機関としての指定期間の短縮が可能になります。

(2026年4月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





