6月から医療機関が診察のキャンセル料を患者に請求できるようになりました。厚生労働省通知によれば、事前に患者側に説明して同意を得る必要があり、患者都合での直前のキャンセルに限るといった要件を満たす必要があります。導入可能なのは、厚生労働省に届け出て患者の希望で公的保険外の費用を負担する選定療養費として予約料を徴収している機関に限られ、900超に上っています。患者側は選定療養費を払って予約すれば、原則30分以内に受診できます。
病院側は予約が入ると、必要な機器や薬剤、人手を確保します。直前にキャンセルされた場合、全て無駄になる可能性が高くなります。他の人の受診機会が失われることも病院にとっては痛手となります。対象となる医療機関でも、そもそも導入するかどうかや金額、徴収する基準はそれぞれに委ねられています。損失を保護する目的であれば、より多くの医療機関を対象とすべきです。
適用範囲や金額などの運用基準が無ければ、無制限にキャンセル料を請求できてしまう側面もあります。実効性を高めるためにも、対象機関を拡大したうえで、例えば選定医療費の有無でキャンセル料に差をつけるといった基準を設けることも必要となります。
(2026年6月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







