出生時に女性とされたトランスジェンダー男性が、性別変更前に採取した自分の卵子をパートナーの女性に提供し、子どもが生まれました。出産が二人の結婚前だったため、男性と子との間の法的な親子関係は認められませんでしたので、子が母親を法定代理人として、男性を法的な父親と認めるよう求める訴えを東京家庭裁判所に起こしました。
40代男性は、法的には女性だった2023年に卵子を採取しました。ドナーの精子提供を受けてパートナーの女性が妊娠し、2024年11月に出産しました。翌月には男性の法的な性別変更が認められ、2025年2月に二人は結婚しました。男性を父親と認めるように子の認知届を都内の区役所に出しましたが、不受理とされたため認知を求めて提訴しました。
一般的に母子関係は母親の出産によって確定し、結婚していれば母親の夫は子の父親であると推定する決まりがあります。しかし、今回は出産が性別変更と結婚よりも前だったため、男性と子との間には遺伝上のつながりがあるのに法的な父子関係が認められませんでした。

(2026年9月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





