卵子老化の分子機構の解明

 千葉大学らの研究グループは、卵子の質を保つ仕組みに関わる物質をマウスで発見しました。卵子や精子がつくられる際に染色体の数を半分にする減数分裂に着目し、マウスのオスとメスの生殖細胞で働く物質を比べ、メスに特徴的にみられる物質を特定しOMC1と命名しました。

 OMC1が働かないよう遺伝子を改変したマウスでは、卵子を人工授精させた後に正常に発生した胚は35%でしたが、正常なマウスの卵子は80%でした。OMC1がないと卵子の質が低下すると示唆されています。卵子は老化に伴って染色体同士の結びつきがゆるみ、染色体が正常に分配されにくくなることが知られています。

 染色体同士をつなぎとめるたんぱく質であるコヒーシンとOMC1の関係を調べています。OMC1がない卵子ではコヒーシンが染色体から離れ、染色体同士の結びつきも弱まっていました。OMC1を人工的に補うと結びつきが回復しました。OMC1に相当する物質はヒトにも存在するとの報告があり、今後はヒトの卵子でもマウスと同様の働きがあるか検証する必要があります。

(2026年10月30日 千葉大学HPより)
(吉村 やすのり)

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