国際労働機関の報告によると、女性管理職の比率はアジアではフィリピンが最も高かった。女性管理職の国・地域別ランキングで、フィリピンは4位でアジアで唯一トップ10に入っている。日本はわずか11.1%で96位であった。アジアでは、フィリピンの女性管理職の比率は47.6%だったほか、モンゴルが41.9%で17位、香港が33.2%で44位、マカオとシンガポールが31.4%で53位であった。東南アジアはベビーシッター制度が行き届いており、しかも料金が安く、育児の負担を軽減できる環境が整っている。家事代行サービスも日本に比べると浸透している。
シンガポールは、上場企業における女性の最高経営責任者(CEO)の割合でも健闘している。シンガポールでは全体の4.6%を占め、欧州連合(EU)の2.8%を大きく上回っている。中国も5.6%と高い比率を示している。大企業に比べ、小~中規模の地場企業の方が女性が管理職に就きやすい傾向があることから、こうした企業が多い新興国では、女性管理職比率が高くなる傾向であると指摘されている。いずれにしても他のアジア諸国と比較しても、日本の企業における女性管理職の比率は低く、早急の改善が望まれる。
(吉村 やすのり)