近年、女性のやせ傾向が止まりません。厚労省の調査によれば、やせている女性の割合が12%を超え、過去最高に達したそうです。体重(kg)を身長(m)の2乗で割った体格指数(BMI)が、18.5未満だとやせに分類されます。成人女性の年代別割合は20代が21.5%と最も高く、30代が17.6%、40代でも11%です。男性では30代でBMI 25以上の肥満となる割合が25%を超え、40代は34%もいるとのとは対照的です。
若い女性のやせは月経異常をきたし、ひどい場合は無月経になります。無月経になると女性ホルモン(エストロゲン)が分泌されなくなり、骨密度が減少し、更年期以降に骨粗しょう症のリスクが高まります。また妊娠した場合にも影響が出ます。やせた女性が妊娠すると、生まれた時の体重が2500kg未満の小さな赤ちゃんの割合が増加します。やせすぎによる出生体重の低下によって、赤ちゃんが将来の生活習慣病などを発症する恐れが高まることがわかってます。母親の低栄養状態が胎児や生後間もない赤ちゃんの遺伝子の動きを調整する仕組みに影響を及ぼし、将来の病気の要因を作る可能性が指摘されています。
(2015年2月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)