働く女性が妊娠・出産を理由に不当な扱いを受けるマタハラを防ぐため、厚生労働省は、企業への指導を厳しくするように全国の労働局に指示しました。妊娠や出産と、企業が解雇や降格などを行った時期が近ければ原則マタハラに当たると判断し、雇用主に報告を求めるなどして被害の拡大を食い止めることにしています。男女雇用機会均等法においては、働く女性に対して妊娠や出産などを理由として解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないとしています。また育児・介護休業法も産休や育休を理由とした解雇を制限しています。
しかし、会社側は解雇・降格の理由として、妊娠・出産ではなく、働く女性の能力不足や、会社の経営状況の悪化などが理由と主張し、女性が泣き寝入りをするケ-スが多く出ています。今回の厚労省通達は、妊娠・出産などを契機として不利益取り扱いをした場合を違法な事例として明確化しています。妊娠・出産と時間的に近接して解雇・降格などの不利益な取り扱いがあれば、違法とみなされることになります。こうした通達がでたことにより、企業への指導や監督が強化され、妊婦の地位保全がかられることは大変良い事です。
(吉村 やすのり)