女性の管理職

結婚して子どもを持って職場では昇進する、男性では当たり前の人生設計が、女性にとっては大変難しい。男性管理職は約8割が子どもがいる既婚者であるのに対し、女性管理職で既婚子どもがいる者は約3割にとどまります。さらに未婚者は男性が1割に満たないのに、女性は4割に達します。結婚も出産も個人の自由であり、結婚して子どもを持つライフスタイルだけが望ましいわけでもありません。ただ女性管理職の現状は、自ら望んだ結果とはいい切れないところがあります。
 昇進・昇格するには、女性は男性以上の働きが求められるため、自分の生活を犠牲にせざるを得ない状況があります。結婚や出産の機会を逃し、心の中に後悔を抱える女性管理職は少なくないと思います。これまでは、育児をしながら仕事で実績を上げることができる時代ではなかったかもしれません。結婚や子どもをあきらめなければ就けないような管理職ポストは、若い女性にとって魅力はありません。結婚して子どもを産んでも、普通に管理職になれる仕組みがぜひとも必要です。そうでなければ、真の意味での女性の活用にはなりません。

(2015年2月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。