乳幼児の受動喫煙は虐待

 2月19日に朝日新聞の医師の目にコーナーに掲載された、日本禁煙学会理事の稲本望氏の記事を抜粋して掲示します。
元気だった赤ちゃんが突然死んでしまう乳児突然死症候群(SIDS)の原因の一つが、受動喫煙とされています。同じ要因とされるうつぶせ寝については、対策に限界があるかもしれないが、受動喫煙は両親や周囲が気をつければ確実に防ぐことができます。赤ちゃんの気管支は細く、煙を吸い込むことで気管支が収縮して窒息する可能が示唆されています。衣服やじゅうたんに染み込んだたばこの煙を、赤ちゃんはなめる危険性もあります。ぜんそく、鼻炎、中耳炎、虫歯、アトピ-など、たばこの影響は広範囲に及びますが、赤ちゃんは自らの意志で煙から逃げることができません。受動喫煙は「虐待」であることを肝に銘じなければならないとされています。
 妊娠や出産への悪影響も避けられません。妊娠中の女性がたばこを吸うと、胎盤の血液の流れが低下するために、赤ちゃんの成長が遅れる可能性があります。早産になったり、低出生体重児や妊娠期間に比して小さい胎児が生まれたりすることにつながります。また、母さんの子宮の中で赤ちゃんの臓器を形成する大事な妊娠後24週間の時期に、先天異常を起こすリスクも高まります。産婦人科医として、妊娠中の喫煙を許すことはできません。パ-トナ-も禁煙しなければいけません。

(吉村 やすのり)

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