イクメン(育児をする男)が注目されていますが、実際の子どもを持つ夫婦の役割分担は以前とあまり変わっていません。国立社会保障・人口問題研究所の調査では、育児の総量を100とした場合の夫の負担率は1998年に約16%、2013年は上がったものの約20%にすぎないとしています。
女性が育児で負担に思うことや悩みの中で、自分の自由な時間が持てないが4歳半まで半数以上にのぼり、1歳半では約65%にも達しています。また、子どもが1歳半までは子育てによる身体の疲れが大きい、気が休まらないとするもの、が多い。こうした育児の疲れが子どもの虐待や殺害につながることを考えると、自治体が心理学などの専門家と行き詰った家庭を支えていく制度を考える必要があります。
(2015年3月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)