日本産科婦人科内視鏡学会は、腹腔鏡下子宮摘出手術および子宮筋腫核出術における電動モルセレ-タ使用について、本学会決定研修施設をはじめとする全国311施設にアンケ-トと調査を実施しました。
子宮筋腫の術前診断のもとに手術が施行された72,104例のうち、悪性疾患は63例(0.09%)に決められました。そのうち開腹による子宮全摘出では27例(0.12%)、腹腔鏡下では24例(0.13%)が悪性と診断されました。また腹腔鏡下の筋腫核出術では、7例(0.03%)が悪性であり、米国での報告に比べると極めて低率でありました。悪性細胞の播種があった症例は、11例にみられましたが、開腹と腹腔鏡下手術の間に頻度に差異はみられませんでした。
わが国ではMRIを始めとする術前診断が十分に実施されており、術前に悪性が除外診断されていることより、海外に比べて悪性の頻度は低いものと考えられた。腹腔鏡下手術では、80%以上の症例でモルセレ-タが使用されていることから、術前に悪性細胞の播種のリスクについても十分な説明が必要です。
(吉村 やすのり)