国立がん研究センタ-は、わが国のがん疾患率の分布地図を初めて発表し ました。西日本で肝がんと診断される人の割合が全国平均よりもやや高く、胃がんが日本海側、肺がんが北海道や近畿地方で高い傾向があるなど、一部のがんは地域差があることがわかりました。
肝がんでは兵庫、徳島、大分など西日本の多くの地域で、男女ともに全国平均の1.2倍以上でした。原因は不明でしたが、肝がんを引き起こす肝炎ウィルスの感染率が高いことと関係している可能性があると思われます。また胃がんは食塩摂取量が多い地域、肺がんは喫煙率高い地域で罹患率が高くなる傾向にあります。大腸、乳房、子宮、前立腺の各がんでは、顕著な地域差はみられていません。
(2015年3月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)