渋谷区議会は、同性カップルを結婚に準じる関係と認める、パートナーシップ証明書を発行する全国初の条例を可決しました。差別や偏見に悩む性的少数者の権利を守ることが目的ですが、ただ公的拘束力はなく、婚姻関係のように相続などはできません。他の自治体も同性カップルの支援策を検討するなど、影響がひろがりつつあります。
条例で男女平等や多様性の尊重をうたった上で、パートナーシップ証明を発行する条項を明記しています。不動産業者や病院に証明書を持つ同性カップルを夫婦と同様に扱うよう求めるほか、家族向け区営住宅にも入居できるようにしています。条例の趣旨に反する行為があり、是正勧告などに従わない場合は、事業者名を公表する規定も盛り込んでいます。今回の条例は、多様性を尊重する目的で制定されており、直ちに同性婚を認めるものではありません。性的小数者の人権の保障は、本来法律で定めることが望ましいと思われます。
(2015年4月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)