医師のへき地派遣

 厚生労働省は、へき地の診療所を支援するため、都道府県が指定する「ヘキ地医療拠点病院」(全国296か所)に、医師の派遣日数の数値目標を設ける方針を固めました。拠点病院の約2割が支援を行っていない現状を踏まえ、目標の導入することにより、改善を促すことにしています。拠点病院は、出張診療所などを設けて定期的に医師が巡回する「巡回診療」、常勤医師がいない診療所への「医師派遣」、診療所の医師の休暇のために代診する「代診医師派遣」の3事業が求められています。医師を派遣した延べ日数に基づき、補助金の交付を受けています。
 しかし、昨年1月時点で、3事業の実施状況はいずれも7割未満で、どの事業も行っていない病院も2割を超えています。ただ、拠点病院も医師不足に直面していることから、医師を派遣できない状況にあります。研修医を終了した専攻医は、一定期間(例えば最低6ケ月)へき地医療拠点病院に勤務しなければならないことなどを義務づける制度を作らない限り、へき地医療を守ることは出来ません。若手医師の都市集中を防止するための政策も必要です。

(吉村 やすのり)

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