医師が患者に治療内容を説明したり、患者の日常を把握したりする手段として、IT(情報技術)を活用する取り組みが医療現場で進んでいます。ITは在宅医療でも活用されるようになり、患者にプラスの効果を生んでいます。患者向けにIT危機が活用されるようになったのは最近のことで、より丁寧な説明に役立つことが期待されています。
電子カルテの普及もIT機器の導入を後押ししています。処方された薬を記すお薬手帳や血圧デ-タを記録する血圧手帳が、電子カルテと連動させることが可能です。タッチパネル式のベットサイド情報端末を導入することにより、体温や血圧、血液検査の結果が表示されます。入院中に使われる薬の効果や副作用を自分で調べたり、手術日や検査日などのスケジュ-ルを手元で確認したりできます。これにより、主治医が病室で患者に詳しく説明することができるようになります。医療者間や介護スタッフとの連携、処方薬の重複防止などITが応用できる範囲は広く、患者の生活の質を高める上で、ITは欠かせないツ-ルになりつつあります。
(2015年6月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
(吉村 やすのり)