新型出生前遺伝学的検査とは
新型出生前遺伝学的検査とは、母体血液中に存在する胎児DNAを用いて
胎児が染色体異常に罹患している可能性を高い精度で推定することができる検査です。こうした母体血液中に存在する胎児・胎盤由来細胞やDNA/RNA等による遺伝学的検査については、検体採取の簡便さから安易に実施される可能性があります。検査前には、検査の限界、結果の遺伝学的意義について、検査前の時点から十分な情報提供が遺伝カウンセリングとして実施され、検査を受ける夫婦がこれからの内容を十分理解し、同意が得られた場合に、実施することができます。わが国においては、2013年4月より臨床研究として実施されています。
またこの検査の提供にあたっては、出生前診断の適応に示されたいずれかに該当することが前提となります。検査対象となる疾患に関して、この検査の診断意義があることを前提とした上で、検査を希望する妊婦に個別に遺伝カウンセリングが行われ、検査が実施されることになります。決して全妊婦を対象としたマス・スクリーニング検査として提供してはなりません。
(吉村 やすのり)