朝方勤務の効用

 企業や官公庁で、従業員の朝方勤務を促す動きが広がっています。残業時間を短縮し、仕事の効率を高める狙いで、安倍晋三首相の旗振りで7月からは中央省庁でも始まります。頭が冴えている朝に集中して働くことで、業務の効率化につながります。そして、夕方は早く帰宅し、家族との団欒の機会や自らのスキルアップのために費やす時間が増えることになります。広がる朝方勤務については、効率的に仕事ができているか、時間当たりの生産性を見直すにはよい機会になると思います。
 私は、40歳前後より病院には7時頃に出かけていました。朝の時間帯は電話も無いし、さまざまな業務から開放され、自分の仕事に集中できます。朝の1時間半~2時間が最も効果的で、大切にしていた時間でした。秘書の方にも8時頃までに勤務をお願いし、4時過ぎには帰宅してもらっていました。秘書との間でほとんどの雑務を8時半までに終え、診療に向かっていました。日本人は集中力に欠けることが多く、時間当たりの労働生産性は低いと考えられます。長時間労働を避け、集中することが大切であり、働き方を変えることも必要です。

(2015年6月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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