母子感染症シリ-ズ―Ⅳ

B型肝炎ウイルス

 B型肝炎は、血液を介したB型肝炎ウイルス(HBV)の感染で発症し、感染様式には一過性感染(感染既住者)と持続感染(キャリア)の2種類があります。以前、わが国においては、HBVキャリアのほとんどは母子感染により、また一部は3歳以下の小児期の水平感染から生じていました。その理由は、HBVの遺伝子型の多くがBまたはCであったためであり、成人が初感染して肝炎を発症した例(急性肝炎)のほとんどは一過性感染で、持続感染に移行することはほとんどありませんでした。しかし、わが国でも最近国際交流が盛んになり、性行為等の水平感染による遺伝子型AHBV感染が増えてきており、成人期の感染であっても、急性肝炎発症後に10%程度がキャリア化しています。

(吉村 やすのり)

 

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。