農林水産省によれば、全国の肉牛の農家戸数は2024年に3万6,500戸と10年で4割減少しました。一方、牛肉需要の増加で飼養頭数は4%増え、1戸当たり飼養頭数は2024年に73頭と、10年で6割増えています。厳しい労働環境を理由に新規就業者が減ったり、経営難の畜産農家が増えたりすれば、牛肉の安定供給に支障が出ることになります。
飼料価格の高騰も経済を圧迫しております。重労働が多い畜産業界でAIなど先端技術を用いて負荷を軽減し、生産性を高める動きが広がっています。丸紅は、牛の体重など育成情報を一元管理できるプラットフォームをつくり、数年内に国内牛の4割に当たる160万頭の登録を目指しています。畜産業界では、担い手不足や飼料高による経営難が深刻で経験や勘に頼らない畜産テックの重要性が増しています。

(2025年12月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







