治療アプリの利用

 治療アプリとは、特定の病気を治療するために使われるソフトウェアのことをいいます。臨床試験を通じて医学的データを示して承認を得られれば、保険適用を受けられます。患者は、医薬品などと同じように診断後に医師の処方を受けて利用することができます。スマホの治療アプリは医師にパスワードを発行してもらい、使えるようになるものが多くなっています。対象疾患は生活習慣病や依存症が多く、医師の目の届かない場所での指導や服薬管理ツールとして用いられます。治療アプリは無料でダウンロードできますが、使うためには医師が薬を処方する要領で発行した起動用パスワードの入力が必要になります。
 米国では治療アプリの実用化が始まっています。米食品医薬品局(FDA)は既にソフトウェアを保険適用の対象にしています。現状では、糖尿病や心疾患などの生活習慣病向けに、医師による遠隔指導や服薬の順守として活用されています。薬や医療機器に続く第3の治療手段として普及していくと思われます。医療費の上昇に歯止めをかける手段としても、今後、期待を集めそうです。

(2017年10月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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