新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自転車への注目が高まっています。3密を避けて移動できる点が評価されています。自転車は健康増進に役立ちます。脱炭素にもつながります。
しかし、日本では通勤に使える自転車の走行環境が十分とは言えません。国や地方自治体が安全な走行空間を増やす努力をするのは当然です。また、企業は自転車ロッカーやシャワーの設置など、利用を促すための支援を積極的にすべきです。
自転車への意識は近年、大きく変わってきています。交通事故や転倒などの「危険」、雨の日の利用が「きつい」、放置自転車が「汚い」から、以前はマイナスの3Kでした。それが最近では、「健康」、「環境」、「観光」に好影響をもたらすとして、プラスの3Kに変容しています。
国は道路設計の際の規程改正などを通じ、対策を進めようとしています。車道に自転車専用レーンを設け、色分けもしています。自転車が安全で快適に走れる空間確保が進めば、通勤利用を認める企業も間違いなく増えると思われます。
(2021年9月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)