膀胱炎の予防

排尿時の痛みや頻尿に悩まされる急性の膀胱炎は、細菌感染が主な原因でおこり、女性に多く発症します。症状としては、頻尿や排尿時の痛み、残尿感、尿の濁りや血尿などがあります。尿道から膀胱の内部に侵入した大腸菌などの細菌が増殖して、炎症を引き起こすのが主な原因とされています。女性に多いのは、体の構造上男性に比べて尿道の長さが短いうえ、尿道の入り口と肛門の距離が近く、雑菌が入りやすいためです。
病気や過労、ストレス、加齢によって免疫力が弱まると、発症しやすくなります。閉経後の女性は腟内で細菌の繁殖を抑える働きをしていた常在菌が減ってしまい、繰り返しやすくなります。排尿を長時間我慢することのほか、月経、妊娠などが原因になりえます。急性膀胱炎であれば、抗生剤治療で数日のうちに治ります。薬の服用に関しては、症状が治まっても細菌が残っていることがあるので、処方された分は必ず最後まで使い切ることが大切です。
男性に比較的多くみられるのが慢性膀胱炎です。何らかの基礎疾患を抱えていて、膀胱の内部に細菌が増えて症状が出ます。膀胱内にできる結石は原因になります。前立腺肥大などで残尿感がある状態も、細菌が増殖するリスクがあります。他にも膀胱がんなどが症状を引き起こす場合があります。まずは原因となっている病気を特定し、治療するのが重要です。
膀胱炎になるのを避けるためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。排尿を我慢しすぎるのは禁物です。疲労やストレスをため込まない、適度に水分を取る、体を冷やし過ぎない、陰部を清潔に保つといった点にも気を付けることが大切です。温水洗浄便座の利用にも注意する必要があります。清潔にするのは大切ですが、かえって細菌を膀胱の内部に押し込んでしまいかねないため、排尿するだけであれば、温水洗浄はしない方がいいと思います。

(2021年10月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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