ゲノム医療法の成立

人によって異なる遺伝情報(ゲノム)を治療や予防に生かすと同時に、差別が生じないようにすることを定めたゲノム医療法が成立しました。遺伝情報は、将来の病気のリスクなどもわかる究極の個人情報と言われます。同法はゲノム医療の推進も目的にしています。同法はゲノム医療の推進も目的と研究体制や拠点の医療機関を整備するなど、必要な施策を講じるように国に求めています。



期待が大きいのは、がんと難病です。患者のがん細胞の遺伝情報を調べて、治療薬を探すがん遺伝子パネル検査により、日本人のがんの遺伝子変異の特徴が明らかになり、治療薬の開発につながる可能性があります。難病では、重症新生児に対する診断と治療が注目されています。
遺伝情報を網羅的に解析し、病気のメカニズムの解明や治療薬の開発を加速する研究が進んでいます。日本政府は、2019年に日本人のゲノムの大規模データベースをつくるプロジェクトを始め、がんと難病の患者を対象に解析を進めています。同法は、ゲノム医療を国民が安心して受けられるようにすることを目指しています。国は、差別防止のための施策を講じる必要があり、今後、医師や研究者らがゲノム情報の取り扱いが適正にされるように指針を策定します。

 

(2023年6月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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