パタニティーハラスメント(パタハラ)の実態

パタハラとは、男性が育児時短や育休を請求したり取得したりすることで、不利益な扱いや嫌がらせを受ける行為や言動を言います。厚生労働省の調査によると管理職男性の3人に1人が被害を受けています。
自営業や役員、公務員を除く500人の男性を1月に調査したところ、過去5年間で被害を受けたと答えた男性は24.1%に上っています。管理職に限ると33.0%に比率が高まっています。育休や時短など育児に関わる制度の利用を希望し、実際に利用したと回答した人は、47.8%と半数未満にとどまっています。
パタハラ被害を受けた人に内容を尋ねると、上司や同僚による制度利用の阻害が24.2%で最も多く、継続的な嫌がらせが20.8%、不利益な配置変更が19.2%と続いています。降格が10.0%や、解雇が8.3%もあります。
管理職を担う世代で父親になる人は増えています。人口動態統計によれば、2022年に子どもが生まれた父親のうち40歳以上は16.2%でした。第1子を授かる年齢は32.9歳と上昇傾向にあります。労務行政研究所の10年の調査によれば、係長への昇進年齢は最短で29.5歳、課長は33.9歳でした。課長や係長の立場で、育休取得を希望する人は少なくありません。政府は、男性の育休取得率を2030年までに85%にする目標を掲げています。達成には管理職を含めた取得率向上が不可欠です。

(2024年7月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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