大学発スタートアップの増加

大学の研究成果などを生かして起業する大学発スタートアップが増えています。経済産業省の調査によれば、2023年度は4,288社と5年前より9割増えています。学校数あたりの企業数は、富山県が最も伸びています。民間出身知事のトップダウンによる支援体制の強化などが奏功しており、これまでの大都市中心から全国へと起業の裾野が広がっています。伸び率1位は4.0倍の富山県で、奈良県が2.6倍、岐阜県が2.5倍で続いています。
少子化が急速に進む中、将来的な学生確保に向けた大学のアピールにもつながります。教員や学生の意識を変え、新事業に取り組む地元企業の期待にも応えることができます。先進県では、地方銀行などによる支援の動きも広がっています。大学あたりの企業数が東京に次いで2位の茨城県は、大学別でも筑波大が5位に入っています。
米国などでは、多くの大学発スタートアップがイノベーションを生み出し、産業の活性化にも貢献しています。日本では都市部を中心に拡大してきましたが、大学や自治体などの支援体制や地域産業とのつながりが十分とは言えない地域も残っています。

(2024年6月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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