経済産業省の調査によれば、2022年10月時点で3,782社で、2014年度の調査再開以降、ベンチャー数は増え続けており、前年度からの増加数も477社と過去最多でした。大学別のベンチャー数は、東京大学が371社で最も多く、京都大学が267社、慶應義塾大学が236社と続いています。企業数で首位を走る東京大学は、他大学に先駆けてベンチャー育成に取り組んでいます。最も増加数が多かった慶應義塾大学は、2022年3月にスタートアップ部門を本格始動させています。
最高経営責任者(CEO)の最終経歴については、回答したベンチャー462社のうち、152社のCEOは、大学や公的研究機関の教職員や研究者でした。大学院生や学部生、高等専門学校生がCEOに就いた社は計128社、企業の技術者・研究者は52社でした。従業員数に占める博士号取得者の割合は、一般企業の研究職の場合は4%ですが、ベンチャーでは20%と高くなっています。
ベンチャー創出に力を入れている大学は全国に広がっており、特に研究成果に基づく特許や技術を事業化する目的が多くなっています。社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。
(2023年6月1日 読売新聞)
(吉村 やすのり)