夫婦同姓の合憲

 明治時代から100年以上続く、夫婦は同性、女性は離婚して6カ月間は再婚禁止とする民法の規定は、憲法に違反しないかとの判決で、最高裁大法廷は16日の判決で初の憲法判断を示しました。いずれも国への賠償請求は退けましたが夫婦同姓については合憲と判断しました。再婚禁止規定については、100日を超える期間の部分を違憲としました。夫婦同姓の制度については、社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性があると指摘しました。どちらの姓を選ぶかは当時者に委ねられており、性差別には当たらないと判断しました。ただ、この判決は選択的夫婦別姓が合理性がないと判断したのではないとも述べており、これらの制度のあり方は、国会で論じ判断するものだとしています。
 離婚した女性は6カ月間再婚できないとする民法733条の規定については、15人の裁判官全員が一致で違憲としました。法務省は、ただちに再婚禁止期間を100日に短縮して取り扱うことを決め、全国の自治体に通知しました。法律上の父親を推定する民法772条は、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子、結婚後200日を過ぎて生まれた子は再婚後の夫の子と定めています。仮に、離婚後すぐ再婚して200日たった後に子が生まれると父親の推定が重なりますが、それを避けるには100日の再婚禁止期間で足りることになります。判決は、これを超えて女性に再婚禁止を強いるのは、過剰な制約だと判断しました。

(2015年12月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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