新型コロナウイルスは空気感染するか

新型コロナのパンデミックが始まって以降、WHOなどの見解も変わってきています。WHOは、新型コロナウイルス感染症は飛沫核(エアロゾル)によって感染が起こることとしています。エアロゾルは、液体や固体が、重力ですぐに落下せず、空気中を漂う状態のことです。ウイルスを含む飛沫はサイズが大きく、すぐ落下します。飛沫が乾燥して小さくなった飛沫核は、空気中を漂います。これもエアロゾルの一つで、大きさは5マイクロメートル以下とされています。空気が強く流れているなどの条件によっては、5マイクロ以上の粒子も空気中を漂います。
米疾病対策センター(CDC)も、現在は主要な感染経路の一つとして、エアロゾル粒子を含む空気を吸い込むことを挙げています。厚生労働省は、主な感染経路は飛沫感染と接触感染とし、マスクなしで近い距離で会話をすると、マイクロ飛沫感染での感染リスクが高まると記されています。
マイクロ飛沫感染という言葉は、微細な飛沫による感染を意味しますが、換気された屋内や野外では起こりにくく、空気感染とは異なる概念と説明されています。現在では、エアロゾルを形成するのがマイクロ飛沫とし、新型コロナウイルス感染症では、エアロゾルによる感染があるとされています。
空気感染という言葉は、結核や麻疹、水ぼうそうといった、感染力が強い感染症の感染経路として長く使われてきました。感染者から遠くにいる人にも感染するとされています。空気感染はどう感染するかを表す言葉で、そこに感染力や距離の要素は含まれません。むしろ、距離が近いほど空気感染のリスクも高まる点が軽視されがちです。ウイルスが含まれるのは口から出る粒子のごく一部であり、街で感染者とすれ違ったくらいで、感染する可能性は極めて低いとされています。大切なのは換気と、空気のよどみを作らないことです。

(2021年9月26日 朝日)
(吉村 やすのり)

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